過去と今と未来と
本物そっくりな偽物の笑顔。

あたしにもわかった。

「あんたも、だから?」

少し驚いたように目を見開き、そして、すぐ笑顔に戻った。さっきより、本物っぽい。

「へー、気づくんだね?まあ、あんたと俺の違いは、それを意識してるかどうか、だよ。あんたは無意識にでも作ってるだろ。」

…当たりすぎてる。だって、笑顔を作るのは私にとって当たり前、だから。人の顔伺い、人の心を読み、笑顔を作る。いつからか、当たり前だったから。

「どうすればいいか、わからない。」

独り言のようにふっとこぼれ落ちた本音。
ほんとに小さく呟いただけなのに貴方はそれを拾ってくれた。

「頭で考えてるうちは一生無理だろ。考えてできるもんじゃねえことくらい、嫌ってくらいにわかってんだろ?」
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