アメとブタ女(短編)
 叶わない恋だなんてわかっていた。釣り合わないと、最初からわかっていたのに。

 一人立ち尽くしていると、ヒビヤは去り、ユイカもその後についていくのが見えた。


 男の子は、怖い。ヒビヤが怖かった。
話すだけで頭が真っ白になって、声が震えてしまう。
 わたしはいわゆる、男性恐怖症だ。

 悲しかった。あの時靴箱の裏で泣きそうになった。
 ユイカに「ブタ女」と言われていたことが、何よりも悲しかった。

 ユイカ、貴女が、誰よりも好きだった。


 音楽室の窓から、校舎から出て外を歩く二人の姿が見えた。

「普通の恋愛」の形が見えた。

-fin-
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