サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

入ってきたのは、睦月君によく似た
中年男性だった。

も、もしかしなくてもお、お父様!?

なんというか……ダンディというか
ワイルドなおじ様と言った方がいいのだろうか?

睦月君と同じ銀髪に切れ長の綺麗な目。
耳には、ピアスをしていて眼鏡をかけていた。

ロック系に見えるけど……何より美形だった。

睦月君を大人にして少し老けさせたら
こんな素敵なおじ様になるのだろうか?

だとしたら素敵だ。

「涼花。原稿出来たから
さっさと出版社に持って行け」

「は、はい。お疲れさまです!
先生」

睦月君のお母様は、素直にそれを受け取った。

えっ?先生……?

すると睦月君のお母様が私に

「咲良ちゃんごめんなさい。
私ちょっと席を外す事になっちゃったけど
ゆっくりしていってね。
じゃあ、行ってきます」

そう言ってくる。

「あ、はい。ありがとうございます。
行ってらっしゃいませ」

慌てて頭を下げて返事した。

行っちゃった……。

そうしたら睦月君のお父様が

「アイツ……カバン持って行ったか?」

そう聞いてきた。

えっ?あれ……?

しばらくしてお母様が戻ってきた。

「ごめんなさーい。
カバンを忘れちゃった」

苦笑いしながら

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