サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

「睦月。何処に行くんだ?」

篠田君が尋ねると睦月君は、

「………忘れてた」とだけ呟いた。

忘れてた?
何を忘れたのかしら?

すると金本君が

「あぁ、あれ?
昨日、卯月に教えてもらったと言ってたもんな」

納得したように言う。

何を卯月ちゃんに教えてもらったのだろうか?

意味が分からずに首を傾げてると
金本君も立ち上がり

「見てれば分かるさ。
コイツ、器用だから期待して見てるといいぜ」

そう言いながらニヤリと笑った。

「…………?」

私達も睦月君と金本君の跡をついて行くことに
向かった先は、自分達のクラスだった。

着くなり睦月君は、
徐に私の机を後ろに運び出した。

えぇっ!?

周りも気になり睦月君を注目していた。
すると自分のカバンから何かを取り出した。

それは……えっ?

可愛い絵柄のペーパーらしき物だった。
すると睦月君は、メジャーで机のサイズを測り出す。

そしてうんうんと頷くと
今度は、ペーパーのサイズを測り合わせ始めた。

丁度いいサイズに切ると
そのペーパーの下に付いていた紙を
少しずつ机に合わせながら剥がしていく。

どうやらシールになっているようだ。

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