サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
「咲良ちゃん大丈夫か?
しかし驚いたぞ。咲良ちゃんの勇姿には」
金本君は、アハハッといつもの明るい表情に
戻っていた。
「私も……自分自身に驚きました。
よくあんな勇気が出せたなって
でも、どうして金本君がここに?」
偶然にしては、よく出来ている。
「あぁ、咲良ちゃんと同じ。
あの女が睦月に話があると言うから心配になって
様子を見に来たんだよ。
もし睦月が長台詞を言う場面になったら
止めようと思ってな。
また熱を出されたら困るだろ」
ニカッと笑った。
あぁ、なるほど。
さすが金本君。睦月君のことを考えてくれてる。
「しかし、睦月。
お前……いくら他の奴に興味ないからって
誰?って
あれは、いくらなんでも可哀想だぞ。
いや、自業自得でもあるから
いい気味でもあるけどさ」
金本君は、呆れながら言った。
確かに……。
あれば、さすがに美守も傷ついただろう。
怒ってくれたのは、凄く嬉かったけど
まさか、美守を認識すらされて無かったとは、
驚きだった。
すると睦月君は、
「……だって咲良ちゃんしか見てなかったもん」
アッサリとそう言うと
もう一度ギュッと抱き締めてきた。
えぇっ!?
「……そうだな。お前は、そういう奴だよ。
まったく、世話の焼ける」
呆れながら睦月君の肩をポンと叩いていた。
えぇっ!!
どういうことなの!?