サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

「あの、それは……」

「まぁ、そんなことより帰るぞ。
睦月。そろそろ咲良ちゃんを離してやれ」

間を挟むように言う金本君。

あっそういえば……。

すると睦月君は、首を横に振るう。
抱き締めたまま離そうとしてくれなかった。

睦月君……?

今は、勇気より恥ずかしくて仕方がない。
体温が直接触れて意識をしてしまう。

これは、どうしたらいいの?

「コイツ……すっかり抱き付くのが気に入ったな。
ほら、離してやらないと咲良ちゃんが困るだろ?」

金本君が無理やり引き剥がそうとするが
なかなか離してくれなかった。

「あの……このままだと帰れません」

私が申し訳なさそうに言う。

すると睦月君が

「……パンケーキ」

「……えっ?」

「パンケーキ付き合ってくれる?」

睦月君がボソッとそう言ってきた。

えぇっ!?

どうやら睦月君は、どうしても
パンケーキが食べたいらしい。

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