サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

睦月君は、コクりと頷き手を振ってくれた。
振り方が意外と可愛らしい。

頭を下げて外に出るとすぐに金本君が

「じゃあ、俺すぐ前だから」

そう言い向かい側にある
一軒家を指差して言ってきた。

えっ!?

幼馴染みだから自宅が近いとは、
思っていたけど
まさかこんなに近いとは、思わなかった。

こんなに近いのなら
用事があっても帰りにお見舞に行けるのでは?

あ、そうか。

私のために……わざわざ譲ってくれたんだ!?

睦月君に会えるように
もしかして金本君、私が睦月君の事を好きなのを
知っているのだろうか?

私は、皆と別れた後に同じ方向の舞香に
その事を話した。

すると笑われながら

「アハハッ……そんなの気づいているに
決まってるじゃない」

そう言われた。

ガーン!!

やっぱり気づいているんだ!?

「やっぱり。そうなのかなぁ?」

「当たり前じゃん。
あんた、分りやすいし」

「うっ……」

分りやすいと言われると恥ずかしくなる。

「でも1番問題なのは、睦月君よね?
咲良の気持ちを分かっているのか
分かっていないのか」

舞香の言葉にドキッとさせられた。

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