サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
安藤君も驚いて
「だ、誰ってA組の安藤だよ!?
入学式の時の君の代理として
新入生代表をやっただろ」
キレながら言ってきた。
しかし睦月君は、
「…………?」
まったく覚えていないのか首を横に傾げた。
む、睦月君……!?
いや確かに私も一瞬。
誰だか忘れていたけど
まったく覚えていないの?
それは、さすがに可哀想な気が……。
「こ、この僕をそこまで
馬鹿にされたのは、初めてだよ。
許せない…いいか!?
絶対に僕が1位を取ってみせるからな」
安藤君は、捨て台詞を吐いて行ってしまった。
半分泣きそうになっていた。
さすがにちょっと、可哀想かも
睦月君を悪く言ってきたけど
思わず同情してしまった。
睦月君の方を見ると
まだ分からないのかきょとんとしていた。
あ……本当に分からないのね。
「き、気にする必要ないですよ。
テスト前でイライラしているのかもしれませんし」
気にしてないかも知れないけど
一応フォローしておく。
しかし睦月君は、
「……大丈夫。明日には、
それすら忘れているから」
キッパリと言い放った。
えぇっ!!?
睦月君は、向き直すと気にすることなく
教科書を見ていた。