サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

クラスにも入れず、注意をされて
退こうとした矢先にぶつけるとか
もう散々だった。

私の意気込みは、ココであえなく終わるの?

「それより立てるか?悪い…慌てさせたから」

男子生徒が申し訳なさそうに
手を差し伸べてくれた。

「いえ、こちらこそ…すみませんでした」

私は、申し訳ないと思いつつその手を取った。

立ち上がらせてもらうと
その男子生徒は、背が高かった。

156㌢の小柄な私からだと分かりにくいが
180…いや190近くあるかしら?

「ココのクラスだよな?
俺、金本拓馬(かねもと たくま)
これからよろしくな!」

ニカッと笑顔で自己紹介してくれた。
人懐っこい感じで驚かされた。

「あの…私は…」

私も自己紹介しなくちゃあ
そう思ったのだが

「おーい拓馬。何やってんだよ?
早くこっちに来いよ」

違う男子生徒に先に言われてしまった。

自己紹介が…。

「あぁ、悪い悪い。
ほら、お前も早く入れよ」

「は、はい」

彼の勢いに思わずクラスの中に入ってしまった。

周りを見るとすでに
グループが出来ていたが
誰も気にする事なく話し込んでいた。

あ、思ったよりすんなり入れた。

あんなに悩んでいたのに呆気ないものだ。

渋々前に書いてある出席番号順に座った。
私は、窓際の近くだった。

あの金本君という男子生徒とは、席が離れていた。

せっかく仲良くなれるチャンスだったのに
彼氏以外にも男友達というものに憧れていた。

< 2 / 262 >

この作品をシェア

pagetop