サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
クラスにも入れず、注意をされて
退こうとした矢先にぶつけるとか
もう散々だった。
私の意気込みは、ココであえなく終わるの?
「それより立てるか?悪い…慌てさせたから」
男子生徒が申し訳なさそうに
手を差し伸べてくれた。
「いえ、こちらこそ…すみませんでした」
私は、申し訳ないと思いつつその手を取った。
立ち上がらせてもらうと
その男子生徒は、背が高かった。
156㌢の小柄な私からだと分かりにくいが
180…いや190近くあるかしら?
「ココのクラスだよな?
俺、金本拓馬(かねもと たくま)
これからよろしくな!」
ニカッと笑顔で自己紹介してくれた。
人懐っこい感じで驚かされた。
「あの…私は…」
私も自己紹介しなくちゃあ
そう思ったのだが
「おーい拓馬。何やってんだよ?
早くこっちに来いよ」
違う男子生徒に先に言われてしまった。
自己紹介が…。
「あぁ、悪い悪い。
ほら、お前も早く入れよ」
「は、はい」
彼の勢いに思わずクラスの中に入ってしまった。
周りを見るとすでに
グループが出来ていたが
誰も気にする事なく話し込んでいた。
あ、思ったよりすんなり入れた。
あんなに悩んでいたのに呆気ないものだ。
渋々前に書いてある出席番号順に座った。
私は、窓際の近くだった。
あの金本君という男子生徒とは、席が離れていた。
せっかく仲良くなれるチャンスだったのに
彼氏以外にも男友達というものに憧れていた。