サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
すると金本君が豪快に笑った。
「アハハッ…コイツに名前を覚えてもらおうと
思う方が無理じゃねぇ?
あれじゃあ………インパクト薄いし」
「アハハッ…確かに」
篠田君達もゲラゲラと笑っていた。
私は、苦笑いをするしかなかった。
本当に忘れてるとは、思わなかったけど
やっぱり。
睦月君に名前と顔を覚えてもらうのは、
難しいらしい。
他人に興味がないから…。
だとしたら
しっかり名前と顔を覚えてくれた私は、
睦月君にとって少しは、
特別な存在になれたってことだろうか?
だとしたら…嬉しい。
安藤君には、申し訳ないけど
皆で成績表を見た後。
金本君が私に
「咲良ちゃん今日予定ある?
睦月が帰りにアイス食べたいと言うから
よかったら一緒に行くか?」と誘ってくれた。
「あ、はい。ぜひ」
私は、もちろんOKする。
誘って貰えるなんて嬉しい。
しかし。
この後、強力のライバルが現れるなんて
この時の私は、夢にも思わなかった。
放課後。
私と睦月君と金本君で近くのコンビニに立ち寄った。
レジでソフトクリームを受け取ると
外で食べていた。
「なぁなぁ、もうすぐ夏休みじゃん。
休みになったら皆で遊びに行きたいよな」
金本君がそう言ってくれる。
「そうですね。
私も皆と何処かに行ってみたいです」