サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

「まぁ拓馬も居ましたの?
全然気づきませんでしたわ…地味過ぎて」

茉莉華さんって人がこちらを見ながら言ってきた。

「茉莉華……お前。
相変わらずの性格してるよな?この性格ブス」

「まぁ!?酷い。
久しぶりに会った女性に対していう
台詞ではありませんわ。
だからデリカシーのない男は、ダメですのよ。
少しは、睦月様を見習ったどうですの!?」

「お前に優しくする義理はねぇ」

何やら金本君と口喧嘩を始めてしまう。

金本君と……仲が悪いのかな?

いや、それよりも……。

チラッと睦月君を見る。

「……………。」

睦月君は、硬直していた。

よく見ると茉莉華さんが抱きついた勢いで
持っていたソフトクリームが垂れて
落ちてしまったからだ。

「あぁ、大変。
私が新しいソフトクリームを買ってきます」

私は、慌てて言う。
すると

「まぁ、睦月様のソフトクリームが!?
申し訳ないありません。睦月様。
でもご安心下さいませ。お詫びとしてなんですが
ニューヨークのスイーツをお持ちしましたわ」

そう言って持っていた紙袋を差し出してきた。

えぇっ……!?

そうしたら睦月君の目がキラキラと光った。

「……ありがとう」

すぐさまその紙袋を受け取り夢中で見る。

「本当は、お土産用なんですが
仕方がありませんわよね。
また改めてお土産を用意致しますわ。
それは、ニューヨークの有名店のスイーツですのよ」

フフッと頬を染めながら言う茉莉華さん。

私は、また唖然とその状況を見ていた。

もしかしなくても茉莉華さんは……睦月君の事が
好きなのだろうか?

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