サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

睦月君を追いかけて
転校までしてくるなんて……。

彼女の行動力に驚かされた。

しかし茉莉華さんの行動力は、
それだけではない。

お昼になると

「さぁ睦月様。たんとお召し上がり下さいませ。
睦月様のために朝早起きをして2時間かけて
私が作りましたの。
好きな物をいっぱい入れましたのよ」

お重のお弁当を差し出してきた。

て、転校だけではなくお弁当まで…。

すると金本君が

「お、旨そうじゃん。一口ちょうだい」

そう言うとひょいと持ってきた
お弁当を食べてしまう。

あっ!?

「ちょっと拓馬。
勝手に食べないで下さいませ!?」

「いいじゃん。うん?
なかなか旨いな……これ」

「と、当然ですわ。
お母様に教わって2時間もかけて
作りましたのよ!」

「2時間!?お前……朝にどれだけ
時間をかけてるんだよ?
だから普段料理をしない下手くそな奴は…」

ブツブツと言いながら
また、卵焼きを食べていた。

「手の込んだ料理が多かっただけですわ。
ちょっと、だから食べないでってば!!
これは、睦月様のためだけに作りましたのよ」

「いいじゃん。ケチ」

そう言いながら手を止めない。

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