サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

「グズグズしているとか……言ったでしょ?
私、たまに言い過ぎると言われる事がありますの。
気をつけているつもりなんですが
気づかない間に相手を傷つけていると言うか……」

「言い訳をしたい訳ではありませんが
もしあの時……傷つけたのならごめんなさい。
これからも不愉快な思いをしたのなら
言って下さいませ。
出来るだけ直す努力はしますわ」

頬を染めて目線を逸らしながら
そう言ってくる茉莉華さん。

茉莉華さん……。

胸がキュンとなった。

彼女は、口が悪い訳ではないと思う。

何とかいうか……気持ちが
ストレートの素直な人なのだろう。
そしてツンデレな人。

舞香の言う通り
何となく金本君に似ているような気がする。

やっぱり友達になりたい。

「あ、あの……良かったら友達になりませんか!?」

勢い任せに言ってみる。

驚く茉莉華さんは、

「はぁっ!?じょ、冗談ではありませんわ。
あなた、自分が何を言っているのか
分かってますの?
恋のライバルに友達を申し込むなんて
ありえませんわ」

否定してきた。

確かに普通ではありえない事だろう。

自ら恋のライバルと仲良くしたいだなんて
おかしいことなのかもしれない。

でもでも、仲良くなりたいと思った。

この人とは、
信頼が出来る友達になれそうな気がした。

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