サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
す、凄い。
でも金本君は、すぐさま
取り返そうと反撃してきた。
あ、取られちゃう!!
周りの女子達は、キャーキャーと
黄色い声援を飛ばしていた。
私も睦月君を応援したい。
で、でも大きな声を出すのは、恥ずかしいし
私が応援して嫌がられないかな?
もたもたしていると
「睦月様~頑張ってー!!」
茉莉華ちゃんが大きな声で応援をしだした。
ま、茉莉華ちゃん!?
見た目は、上品そうにも見えるのに
こんな大きな声を出すんだ……。
すると茉莉華ちゃんは、私に
「何ボーとなさってるの!?
あなた、睦月様が好きなんでしょ?だったら
悩んでないで応援して下さいませ」
「ライバルなら、もっと自分に
誇りと自信を持ちなさい。
じゃないと私や誰かに盗られますわよ!!」
叱り飛ばしてきた。
「……茉莉華ちゃん……」
ハッとする。
そうだ。茉莉華ちゃんの言う通りだ。
つい引っ込み思案の悪い癖が出てしまった。
直したいのに。
そうしたら睦月君の持っていた
ボールが取られ金本君がゴールを決めてしまった。
「あ、睦月君。頑張れ-!!」
私は、初めて大きな声で睦月君を応援した。