サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
私も上履きを脱ぎ靴に履き替えた。
すると金本君が、私に
「せっかくだから話をしながら帰ろうぜ?
バス停まで送ってってやるよ」
そう言ってくれた。
「あ、ありがとうございます」
申し訳ない気持ちになったが
金本君に聞きたい事があった。
バス停まで送ってもらうことに
そういえば、金本君と2人きりになるのは、
初めてだ。
「あーあ、今日は、睦月に負けちまったから
ツイてねぇーわ。次は、絶対に勝ってやる」
背伸びをしながら歩く金本君。
「フフッ…金本君と睦月君って
本当に仲がいいですよね。
いつも一緒に居るし」
クスクスと笑いながら言う。
「そりゃあ、お馴染みでアイツの親友だからな。
幼稚園の頃からの腐れ縁ってやつ?
アイツさーもっとレベルの高い高校も
余裕で狙えたのに
俺が受けないと分かると全力で拒否ったからな。
一緒ではないと嫌だって…」
「えぇっ~本当ですか?」
失礼ながら余計に笑ってしまった。
「マジ、マジ。
アイツ話さないからさ~
いつも俺が通訳と保護者代わりに居たからさ。
一緒に居ないと不安らしい。そういう俺も
離れ離れになったら心配で心配で胃に穴が空くぞ。
マジで」
「えっ~」
金本君と話をすると楽しい。
なんと言うか……面倒みがいいし明るいから
茉莉華ちゃんの前でも
こんな風に接したら、仲良くなれるのにな。
「そういえば、茉莉華と仲良くなったんだな?」
「えっ……?」
思わずドキッとした。