サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
睦月君……。
私のために
茉莉華ちゃんに注意をしてくれたのだろうか。
「はい。睦月様」
茉莉華ちゃんは、頬を赤らめて
うっとりと見惚れていた。
しかし……その後は、
彼女は、睦月君にべったりだった。
「睦月様。私、初めての場所ですので
色々とご指導をして下さいまし」
腕を組みながら話しかけているではないか。
『…………。』
私と金本君は、完全に取り残されてしまった。
これだと本当にペアが逆になってしまう。
金本君と茉莉華ちゃんの仲を取り持つはずが
ただ睦月君との仲を見せつけられる状態に。
ど、どうしよう!?
チラッと隣に居る金本君を見る。
やっぱり切なそうに2人を見つめていた。
ズキッと胸が痛んだ。
私でも辛いのだからそれをずっと見てきた
金本君は、どんなに辛いだろう……。
しかも追い討ちかけるように
「ねぇ、あそこのカップル。
凄い美男美女じゃない?お似合い」
「あ、本当だ。いいなぁー」
周りは、睦月君と茉莉華ちゃんを
カップルだと思い羨ましがる。