サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
「……具合……どう?」
睦月がそう言ってくれた。
心配して様子を見に来てくれたようだった。
「あ、はい。大丈夫です。
眠ったら大分良くなりました…」
恥ずかしそうに下を向いた。
そうしたらお弁当と
水筒を私に差し出してきた。
えっ?
見ると私のだった。
どうして…?
あっ…もしかして
「あの…わざわざ持って来てくれたのですか?」
睦月君にそう尋ねてみた。
するとコクりと頷いてくれた。
体調を気遣ってくれただけではなく
お弁当まで持って来てくれるなんて…。
感動してしまった。
「あの、ありがとう…ございます」
お礼を言うと睦月君は、
黙って近くにあった椅子に座りだした。
見てみると彼の手にもお弁当箱が。
えっ?
驚いていると私を気にすることもなく
袋からお弁当箱を取り出していた。
もしかして、ココで一緒に食べる気なの!?
するとそれを見ていた養護教諭の先生が
「あら、ココで食べるの?
いいけど…汚さないでね。
ベッドとか。あ、熱は、どう?」
そう言ってきた。
「は、はい。熱は…大丈夫みたいです」
慌てて返事すると体温計を渡した。
熱は、平熱程度だった。
先生が出て行くとチラッと睦月君を見る。
すでに弁当を食べていた。早い…。
睦月君の行動に驚かされる。
いいのだろうか?一緒に食べても…。