サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
で、でも…せっかく持って来てくれたのだし
私も弁当を取り出して食べてみた。
チラッと睦月君を見る。
綺麗な食べ方だなぁ…。
そういえば……金本君達は、
どうしたのだろうか?
「あの……金本君は、一緒ではないのですか?」
恐る恐る聞いてみる。しかし
無反応だった。
あ、そうだ。
質問は、応えやすいようにしなくちゃあ!?
えっと……どうやって言おう。
コミュ障の私には、上手く質問するにも難しい。
すると睦月君は、食べるのを止めて
ポケットからスマホを取り出して
何かを打ち始めた。
呆れ返って携帯をいじられてしまった。
しゃんと落ち込んだ。
そうしたらスマホを私に差し出してきた。
えっ……?
睦月君のスマホを受け取り見てみると
画面には、
『拓馬は、クラスに置いてきた』と書いてあった。
置いてきたって……。
「そうなんですか…?」
まさか、携帯で筆談してくるとは、
思わなかったから驚いた。
するとスマホを取り上げてまた、
何かを打ち始めた。
何を書いているのだろうか?
打ち終わると私に見せてくる。
受け取り読んでみると
『無理せずに早退したら?
悪化したら大変だよ?』
そう書いてあった。
体調を心配してくれた。嬉しい。
で、でもまだ帰りたくない。
せっかく睦月君と一緒に居られる
チャンスがあるのに