サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

『……あっ……』

睦月君は、やっと声を出した。
どうやらそうだったらしい。

じゃあ、さっきから
黙って反応してくれなかったのは、
機嫌が悪くなった訳ではなく
頷いてくれてたからなんだ!?

何だ……。

ホッと胸を撫で下ろした。

すると睦月君は、私に

『……ごめん。つい癖で……』

そう言って謝ってくれた。

「ううん。私こそ睦月君の事情を知っていながら
電話してごめんなさい。
一度電話を切って
LINEに切り替えた方が…」

提案してみる。

会話が嫌いな睦月君にとったら
この状況は、キツいだろう。

そう言う私も口下手で電話とか苦手だし
睦月君の気持ちが少しなら分かる。

『……うん。
そうしてくれると助かる』

「じゃあ……電話切ります。あの……また」

そう言うと電話を切った。

ふぅ……とため息を吐いた。

あぁ、緊張した。
良かった……怒っている訳ではなくて

あ、LINE。LINE。

慌ててLINEの方を開けると
電話する前のLINEがあった。

『こんばんは。もう自宅に帰った?
俺も部活が終わって自宅に着いたばかりだよ!』

そう書かれてあった。

えっと……。

私は、それに対して返事をする。

『さっきは、突然の電話をしてすみません。
部活お疲れさまです!』と…。

しばらく経つと返事がきた。

『いいよ。こちらこそ
まともな電話対応が出来なくて悪い。
電話苦手なんだ。
前にも拓馬に同じ事をやって叱られた。
“電話の意味がねぇーだろ!?”ってさ』

そう書かれてあった。

< 67 / 262 >

この作品をシェア

pagetop