サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
「おいおい。上履きに画ビョウって
昭和の嫌がらせじゃねぇーかよ!?」
金本君は、呆れたように言ってきた。
「とにかく、保健室に連れて行った方が…」
ここに居ても仕方がないし
美守の手当をしたい。
すると美守が
「足が痛くて…歩けない……」
泣きながら必死に訴えてきた。
で、でも……保健室に行くには、
歩かないと行けないしどうしよう。
その時だった。
横で黙って聞いていた睦月君が
座り込んでしまった美守を
ひょいとお姫様抱っこする。
「き、キャアッ!?」
む、睦月君!?
私は、驚いた。
しかもこの2人は、王子様とお姫様みたいに
お似合いだ。
胸がズキッと傷みだした。
しかし睦月君は、
表情を1つ変えずに歩き出した。
えっ……ちょっと待って!?
私と金本君は、慌てて追いかける。
睦月君が向かった先は、保健室。
どうやら歩けない美守を運んでくれたらしい。
保健室に行くと
養護教諭の先生に手当をしてもらった。
「これでよし。もう動いても大丈夫よ!
それにしても酷い事をする人がいるわね」
「ひっく……ありがとう…ございます」
美守は、泣きながらお礼を言った。
「美守……大丈夫?」
私は、心配そうに尋ねる。