サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
「う、うん。私……昔からそうなの。
この性格や容姿のせいで
男に媚っているとか勝手に勘違いされて
女子に嫌われやすくて。
きっと…睦月君のそばに居るのが
気に入らない人達が
嫌がらせをしてきたんだわ」
美守は、しゅんと落ち込んだ。
美守……。
ズキッと胸が痛みだす。
美守は、ただ勘違いされやすい性格なだけ。
こんな嫌がらせをされている友達を
疑うなんて出来ない。
「大丈夫だよ。
美守には、私がついているから」
そう言って必死に励ました。
私も同じようにされたら凄く悲しい。
美守も同じ。
だから、そばに居てあげないといけない。
そうしたら授業が始まるチャイムが鳴り出した。
すると睦月君は、何も言わずに
出て行こうとした。
睦月君!?
「あ、あの睦月君!!」
美守が慌てて呼び止めた。
ピタッと止まる。
そして睦月君は、静かにこちらを振り返った。
「あ、あの……ここまで
運んでくれて…ありがとう」
恥ずかしそうに頬を染めながら言う美守。
私は、その表情を見てズキッと
さらに胸が痛んだ。
睦月君が美守をお姫様抱っこしたのを見たとき
正直ショックだった。
いや、怪我人を運んでくれたのだから
感謝をしないといけないのだけど
羨ましいと思った…。
睦月君は、
「………どういたしまして」
それだけ言うと
さっさと出て行ってしまった。