サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
「あの……失礼します」
恐る恐る隣に座った。
何だか胸がドキドキする。
睦月君は、私が座ったのを確認すると
ポケットからスマホを取り出し
凄い速さで文章を打っていく。
そして、それを私に見せてきた。
あ、話す代わりの……。
私は、スマホを受け取り見てみた。
『天気がいいし、サボっちゃおう。
クラスに戻りづらいだろ?』と書いてあった。
ドキッ……。
睦月君。私がクラスに
戻りづらいのを分かって……ここに!?
思わない気遣いに驚いてしまった。
「あの……でも……それだとまずいのでは?
睦月君まで先生に怒られて…」
そう言おうとしたが言えなかった。
睦月君は、いつの間にか
私にくれたはずのクッキーの袋を
開けていたからだ。
えぇっ……いつの間に!?
驚いて見ているとクッキーを口に入れながら
袋を私に差し出してきた。
食べろって……こと?
「えっと……頂きます」
オロオロしながらも袋からクッキーを1枚取ると
隣で一緒になって食べた。
サクッ……。
食べてみると中がサクサクしていて
とても美味しかった。
バター風味だ。
「お、美味しい。凄く美味しいです」
思わず感想を言った。