サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

そうしたら
もっと食べろと言わんばかりに
袋を差し出してきた。

「あ、ありがとう……ございます」

私は、恐縮しながらその袋を受け取る。
するとスマホを使いまた文章を打っていく。

見せてきた文には、

『カップケーキ好き?
シフォンケーキとパウンドケーキなら
どっちが好き?』

そう書いてあった。

えぇっ!?

「えっと……カップケーキは、好きです。
シフォンケーキもパウンドケーキも
どちらも大好きです」

意味が分からなかったけど
聞かれた質問に答えた。

睦月君は、それを聞くと
また文章を打ち見せてきた。

『それなら良かった。
じゃあ今度は、どちらかを作って持って来るね!』

えぇっ!?
睦月君が……作るの!?

「む、睦月君がつ、作るの!?」

するとコクリと頷いてくる。
それにまた驚いてしまった。

こんな美味しいクッキーを作れる睦月君。

なのに他にもお菓子作りが出来るなんて
どれだけ女子力が高いの!?

彼の意外な特技に驚いてしまった。

私は、料理とかなら作るけど
お菓子作りなんてほとんど経験がなく苦手だった。

いや、普通逆だろう。
私が作って渡す立場なのに……。

「す、凄いですね。
私は……お菓子とかほとんど作った事がなくて
苦手なんです」

情けなくなってしまう。

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