サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)
そうしたら
スマホをいじりながら
ポンポンと頭を撫でてくる睦月君。
打った文を見せてきた。
『なら、今度一緒に作ってみる?
母さんも卯月も一緒に作ったりするから
結構楽しいと思うよ?』
そう書いてあった。
む、睦月君のお母様と妹さんと一緒に!?
そ、それってお宅に行ってもいいという
お誘いだろうか?
いやいや、ただの社交辞令かもしれない。
でも……作ってみたい。一緒に…。
動揺しているとまた、スマホを見せてきた。
『ちなみに母さんは、たまに失敗するけど(笑)
ちなみにそのラッピングは、
母さんと卯月の趣味だから』
「そ、そうなんですか……」
通りで可愛いラッピングのはずだ。
それにしてもたまに失敗するとか……。
ますます睦月君のお母さんに親近感が湧いてしまう。
納得しながらクッキーに手をつける。
美味しくて手が止まらない。
全部食べ終わると睦月君は、紙袋から
使い捨てのお手拭きシートを取り出して
私に差し出してきた。
これまで……?
彼の心気遣いに驚いた。
気が利くというか……ますます女子力が高い。
女性なら間違いなくモテモテだろう。
私と違って……。
「あの…どうして私にそこまでしてくれるのですか?
私なんかと関わっても……何も得なんか……」
モジモジしながら聞こうとした。
しかし睦月君は、
すでにウトウトとうたた寝モードになっていた。
えっ!?寝ちゃうの!??
「あの……睦月君?」