笑って泣いて夢を見た




「……いいよ、帰りくらい。」

??


「私が見えるのは陸だけなんだもん。帰り道の数10分なんてどってことないよ。

今からだって陸と一緒にいられるしね。」


空の笑顔




……お前それ反則。


言われた言葉にドキッっとしてしまった
真っ赤になる顔を両手で必死に隠す
こんな顔見られたくない


「大丈夫?気分悪いの??」


『いや、大丈夫……。』





始めは深く考えてなかったんだ

もし空が記憶を思い出したら
どうなるかっていうことと

空がいなくなるのはどういう時だってことを――……





『早く部屋入れよ。』


「うん!」



空の笑顔には当分かなわないだろうと思った夜だった
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