笑って泣いて夢を見た

彼女はニッっと笑った


「私のこと見えるっていう人初めて!!
名前なんて言うの?」


『え…ああ。椿……椿 陸。』

「陸かぁ!いい名前!!」

『あんたは??』


すかさず名前を聞いた
そしたら彼女はうつむいて悲しそうな顔をして俺に言う




「……分かんない。自分の名前分かんないの。」






彼女は気付いたらこんな姿だったらしく
元の体は病院のベッドの上で意識不明だったという


『記憶ねーの??』


「ないの。多分元の体に残ったまま……。」



彼女は顔を上げて言う



「私は誰なんだろう……。」
< 5 / 33 >

この作品をシェア

pagetop