笑って泣いて夢を見た
彼女はニッっと笑った
「私のこと見えるっていう人初めて!!
名前なんて言うの?」
『え…ああ。椿……椿 陸。』
「陸かぁ!いい名前!!」
『あんたは??』
すかさず名前を聞いた
そしたら彼女はうつむいて悲しそうな顔をして俺に言う
「……分かんない。自分の名前分かんないの。」
彼女は気付いたらこんな姿だったらしく
元の体は病院のベッドの上で意識不明だったという
『記憶ねーの??』
「ないの。多分元の体に残ったまま……。」
彼女は顔を上げて言う
「私は誰なんだろう……。」