海恋
~陸side~
あれは、オレが中3だった時。
その時は、まだ3学期が始まったばかりだった。
ある日、オレが家に帰ると、両親がいなくて、家が空っぽだったんだ。
「どこ行ったんだ…?」
家中探して、最後にリビングに行くと
テーブルの上に、何か白い物が見えた。
近寄ってみると、置き手紙が置いてあって、その文章に、オレは絶句した。
【陸へ
あなたを残して、私たちは逝きます。
自分勝手な事して、ごめんなさい。
でも、私たち、もう限界なの……。
私たちは逝っちゃうけど、あなたはきっと、幸せになれる筈。
それを天国で、祈ってるからね。
さようなら。
父さん、母さんより】