海恋
それまでは仲が良かった親友には捨てられ、周りからは非難と同情の視線で見つめられ、一部から悪口を言われた。
『田中って、可哀想だよな~』
『田中くん、哀れだよね』
そんな、オレを哀れむ事が
いつの間にか、悪口に変わった。
『なあ、なんでアイツの両親って、アイツ残して死んだんだろうな』
『アイツも、死ねば良かったのに』
死ねば良かった…?
オレだって、死にたかったよ。
それに、両親の事、何も知らないくせに、そんな事言わないで欲しい。
しかし、悪口を言う人が増え、いじめは更に悪化し、オレはいつしか、学校に行かなくなり、中3なのに、高校受験もしなかった。