海恋


それまでは仲が良かった親友には捨てられ、周りからは非難と同情の視線で見つめられ、一部から悪口を言われた。



『田中って、可哀想だよな~』



『田中くん、哀れだよね』



そんな、オレを哀れむ事が



いつの間にか、悪口に変わった。



『なあ、なんでアイツの両親って、アイツ残して死んだんだろうな』



『アイツも、死ねば良かったのに』



死ねば良かった…?



オレだって、死にたかったよ。



それに、両親の事、何も知らないくせに、そんな事言わないで欲しい。



しかし、悪口を言う人が増え、いじめは更に悪化し、オレはいつしか、学校に行かなくなり、中3なのに、高校受験もしなかった。

















< 175 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop