海恋
そんな暗い気持ちのまま、いつの間にか丸1年が過ぎていた。
本来なら、高1の3学期。
ある日、伯父さんがオレをリビングに呼び出した。
オレが椅子に座ると、テーブルに1枚の紙が置かれた。
「陸は、両親を亡くして、クラスでいじめられて、辛い思いしたと思うんだ。
だから、提案なんだけどさ」
伯父さんは暫くの間黙っていたが、ゆっくりと口を開いた。
「伯父さんの実家で暮らすか?」
「えっ?」
伯父さんの実家…
父さんの実家でもある。
オレも父さんに連れられて、何回か行った事はあった。
でも… 場所が……
「じゃ……… 沖縄に行くって事…?」