海恋
よく考えてみたら、陸くんがあたしの事好きなんて、あり得ないよね。
もしかしたら、当時は好きとかそういうのがわからなかったのかもしれない。
きっとそうだよね。
うん。
そんな事を考えているうちに、始業式が始まるから整列の号令が掛かった。
始業式はあっという間に終わり、HRをして今日は終了。
「咲良、帰ぇーろう」
リコがニコニコしながら、あたしの席にやって来た。
「あっ、うん。
じゃあ陸くん、また明日ね」
「あぁ、また明日」
陸くんに声を掛けると、リコが不思議そうな顔をした。
「咲良、田中くんと仲良くなったぬ?」
「んー、まぁ色々あってさ」