海恋
リコには、陸くんの事は、さすがに話せない。
リコに心の中で謝った。
「あいっ、裕さっ!」
特進クラスの前に来ると、丁度、裕くんが教室から出て来た。
裕くんの周りには、沢山の女子。
もしかしたら、裕くんの為だけに、勉強を頑張ったのかも(?)。
…ん?
あたし、裕くんが好きな筈だよね?
裕くんの周りに女子がいれば、そりゃ嫉妬する筈。
けど…
全然、嫉妬って言う感情はない。
なんでだろう…?
「貝橋さんっ、リコっ!」
裕くんが駆け寄って来た。
「どうかね、特進クラスは」
「いや、まだ初日だしさ、わからん」
「特進クラスって、大変そうだよね」