海恋
「そうかぁ?」
裕くんは不思議そうに首を傾げるけど、あたしは大変だと思う。
だって、周りが頭が良い人たちばかりなんだから、その人たちについて行くのも、授業について行く事さえ大変そうだし…。
「裕っ! 何しとるばぁ?」
裕くんの周りにいた女子たちが、裕くんを呼びに駆けて来た。
「あいっ、俺そろそろ行くば!
あんさーね」
「あんさーねーっ」
「またね~」
裕くんと別れた後の帰り道、リコが何やらすごく怖い顔をしてた。
「リコ……どうかした?」
「だってさぁ…咲良、裕の周りにあんなにいなぐがおったんやさから、やっぱり妬いたぬ?」
「ううん、別に……」