海恋
リコにからかわれて、今あたしの顔は真っ赤だと思う。
陸くんが好き…?
あたしの、本当の好きな人は……陸くんなの?
なんかもう…わからないよ……。
「わんはどっちにせよ、咲良を応援するさあ」
「ありがとう…リコ」
「ちばりよー、咲良!」
リコがニッコリと笑顔になった。
あたしも、笑い返した。
…翌日。
リコと一緒に登校して、教室へ。
自分の席に向かうと、隣には、もう陸くんの姿があった。
登校するの、早いんだね。
「陸くん、おはよう」
「おー、おはよ」
陸くんが少しだけ頭を上げて、あたしを見上げて微笑んだ。