海恋
なんだ… そんな事か。
内心、ガッカリしている自分がいて。
えっ、待って待って。
まるで、あたしが陸くんの事好きみたいじゃない。
それに……
い、今…!
あたしの事、名前で呼ぼうとしてくれてた…?
結局は、名字で呼んでたけど。
そして……、初めてあたしの事呼んでくれた…!
嬉しい… 嬉しいよ…!
あたしの心が、喜びのあまり、飛び上がっていた。
「あ… そ、そう?」
「うん。
だって、あの時は黒髪にショートボブだったでしょ?
でも今は、髪も染めてるし、だいぶ長めだし、ウェーブも掛けてる。
随分、お洒落系になったよね」