海恋
リコは焦った表情で、慌てて2人を必死で突き放した。
「田中くんと裕、何があったぬ?」
「いやっ、アヌ、ソヌ、俺は...
わっ、わっさん!」
「あいっ、裕っ!?」
裕くんは、一目散に駆けて行き、階段の突き当たりを曲がり、消え去った。
「裕、どうしたぬかね…。
田中くんも、何があったば?」
「ごめん、オレもこの後用事あって、急いで帰んないとだから...悪い」
「えっ、田中くん!?」
陸くんは、気まずそうな表情をしながらそう言うと、クルッと背を向け、廊下を駆けて行った。
「裕も田中くんも…どうしたぬか…?
咲良、これどういう事かね」
「んーと、へ、部屋で話すよ!」