海恋
~咲良side~
「…と、まぁ、こんな感じだが」
全てを話し終えた七海は、フウッと小さく溜め息を付いた。
七海の過去に、そんな事が...
あたしは、暫く言葉が出なかった。
でもやはり、七海の過去には、海が大きく関わっていたんだ。
それに…
「七海の運命の人って……… あたしなの?」
それが一番、聞きたかった。
「そうみたいさ。
やさから、咲良」
「ん?」
七海は、漆黒の2つの瞳で、あたしを真っ直ぐと捉えながら、こう言った。
「ずっと、俺ぬ隣にいてくれるかね」
「…う、ん………」
七海は、ずっと、寂しかったんだね。
いつも明るくしてるつもりでも、やっぱり心の中は、ポッカリ穴が開いたままで。