海恋
ずっとずっと、傷を抱えて、生きて来たんだ。
あたしと言う、運命の人に出会って、七海は今、長年の傷が癒されてる…。
「あたしね…
ずっと、七海の隣にいるから。
ずっとずっと、七海を支えるから」
不意に泣きそうになり、あたしは唇を噛み締めた。
七海も泣きそうな顔で、ポロリと涙を一粒流すと、泣き笑いの表情になった。
「にふぇーでーびる、咲良。
…俺さぁ、咲良ぬ事、ちゃんと好きやさから」
七海はあたしを抱き締めると、引き寄せられ、七海の顔が近付いて来た。
間近に七海の整った顔が見えて、ドキッとした。
唇と唇が重なり合い、長めの深いキスをした。
…来門島の、いつもの場所。