海恋


でも、七海がほんの一瞬だけ、微笑んでくれた気がしたんだ。



有り得ないとは思ったけど。



七海とお別れなのはやっぱり悲しいし、まだ完全に受け入れられてる訳じゃないけれど。



あたしはあたしなりに、少しずつ前を向いて行こうと思う。



いつまでも泣きっぱなしじゃ、七海が安心して“ティン国”に逝けないから。



待望のユキさんの所に逝けないから。



…ユキさん。



七海は、あなたに譲ります。



七海の事、宜しくお願いします…。



…そして、七海。



あたし、七海の分まで、頑張って生きるから…。



どうか、ユキさんと一緒に“ティン国”で見守っててね。



今までありがとう。



ずっと、大好きでした…。

















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