海恋
先生も、背中を押してくれている。
だから、期待にも応えたい。
あたしは今日の学校の帰りに、七海のお墓に行こうと思い、フェリーで来門島にやって来た。
【丹波家之墓】と刻まれたお墓に、花束を添え、お線香をあげた。
石碑を見ると、先祖代々の人たちの名前が刻まれている。
【七海 享年15】
あまりにも早い死に、衝撃を受けた人たちもたくさんいたであろう。
そのすぐ横に
【優子 享年100】
と書かれていた。
優子(ユウコ)は、お婆ちゃんの名前。
お婆ちゃんは、あたしが2学期の終わりを迎えた時期に急に倒れて、安らかな表情をして、この世を去った。
きっと、老衰だったんだと思う。