海恋
見た感じ、人気はないみたい。
静かで、ひっそりとしている。
自殺するのにピッタリだ。
あたしは靴を脱いで、裸足で砂浜に足を下ろす。
サラサラとしている砂だった。
それからゆっくりと海に足を運んだ。
冷たい。
どんどん前に進み、下半身が全て浸かったと思った頃。
「…何してんの?」
背後から声が聞こえた。
思わずビクッとし、恐る恐る後ろを向いてみると…
あたしを同い年位の、男の子が立っていて、あたしをまっすぐに見つめていた。
黒くてサラサラしている髪。
透き通った、髪と同じ色をした瞳。
日焼けしていない白い肌。
見るからに、かなりの美少年だった。