海恋
思わず、ドキッとしてしまった程。
「…ここで、何してんの?」
またもや同じ質問をする男の子。
「…あんたには関係ないでしょ」
素っ気なく返した。
そう、コイツには全く関係ない。
あたしが自殺しようがどうしようが、コイツには全く関係ない。
初対面だし。
「関係なくないが。
何するつもりなんっ?」
あたしの言動を完全に無視し、男の子は海に入り、あたしの腕を掴んだ。
「や、やめてよっ」
男の子の手を振り払おうと思いきりもがくが、ビクリともしない。
「やめんよ」
男の子は、更に力を強めた。
「わ、わかった!
わかったから、痛いから、離してっ!」