君の居た世界
「‥で、どうするの?」
 
「‥‥‥‥。」
 
 
あたしたちはドアの前に、立ち尽くしていた。
 
 
 
「まぁ‥、とりあえず映画見に行くか。」
 
 
「‥だね。」
 
 
 
‥映画館ってどこにあるんだろう?
 
‥‥でも、氷夜について行けば、大丈夫だよね。
 
 
無言のまま、あたしたちは歩き続けた。
 
しばらく歩いたところで突然、氷夜が口を開いた。
 
 
 
 
「なぁ‥‥。」
 
「何?」
 
 
 
「ところで、映画館ってどこにあるんだ?」
 
 
 
‥‥‥え‥?
 
「氷夜、映画館の場所わからないの!?」
 
「あたりまえだ。
映画館なんて行かねぇんだよ!」
 
 
「だったら、どうしてここまで歩いて来たの!」
 
 
「どうしてって‥勘?」
 
 
勘って‥‥。
 
ありえない‥。
 
 
 
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