君の居た世界
「氷夜、行きたい場所ってどこ?」
 
 
「さぁな。」
 
 
「少しくらい、教えてくれたって良いでしょ。」
 
 
「どうせ、着いたらわかるだろ。」
 
 
 
まぁ、着いたらわかるんだけど‥。
 
どこに行くのかわからないと、何か気になるじゃん。
 
 
 
それよりも
 
‥‥こんな道あったんだ。
 
 
氷夜はあたしの知らない道を、ぐんぐんと進んで行く。
 
 
 
「ねぇ、氷‥‥」
 
 
 
‥‥‥え?
 
 
「行きたかった場所って‥‥。」
 
 
「あぁ、ここだ‥。」
 
 
 
‥だって、ここ‥‥。
 
 
 
誰がどう見たって‥
 
 
お墓だよね‥?
 
 
 
あたしの視界一面に、お墓が映っていた。
 
 
 
< 136 / 147 >

この作品をシェア

pagetop