君の居た世界
‥あたしにはきっと、氷夜の苦しみは全てわからない。
 
 
氷夜じゃなきゃ、その辛さはわからない。
 
 
 
でも‥
こんなあたしでもわかることがある。
 
 
あたしでも
言えることがある。
 
 
 
 
「‥‥氷夜は幸せになっても‥良いんだよ?
 
 
 
氷夜のお母さんは‥
自分の人生を身代わりにしてまで、氷夜を助けた。
 
 
氷夜のことを護ったんだよ。
 
 
 
お母さんが護ってくれたんだから‥
 
その分まで氷夜が幸せにならなかったら、誰が幸せになるの?
 
 
だから‥。
 
 
 
氷夜は、幸せになっても良いんだよ。」
 
 
 
それだけ。
 
 
今のあたしに言えることは‥
それだけしかなかった。
 
 
 
< 142 / 147 >

この作品をシェア

pagetop