君の居た世界
「‥もともと運動が得意じゃない私は、体育祭でミスをしてクラスの足を引っ張ってしまいました。
 
 
そんなこともあってクラスの娘たちはもちろん、私の唯一の友達だった娘からもシカトされるようになりました。
 
その‥‥いじめにあっていたんです。」
 
 
‥‥あたしもいじめられてたから
痛いほど芽夢の気持ちが分かる。
 
 
 
「それで‥
 
龍君は困ってる人を見たら放っておけないというか、優しい性格だから私を庇って、助けてくれたんです‥‥。」
 
 
 
「まさか‥それで龍も‥‥?」
 
 
芽夢はコクリと小さく頷いた。
 
 
「私が龍君を巻き込んだも同然なんです‥‥。」
 
 
ゴトン‥!
 
 
突然、後ろの方で小さな音がしたけれど、気にせず話し続けた。
 
 
 
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