君の居た世界
「‥あれ、龍は?」
 
 
辺りを見回しても、龍の居る様子はなかった。
 
 
「あー、近くの自販機でジュース買ってくる、って言って出掛けた。」
 
 
氷夜はお菓子を食べながら、テレビを見ていた。
 
 
「ふ‥‥」
ガチャッ!!
 
 
「今戻った。」
 
そう言って、龍が帰ってきた。
 
 
「‥あれ、ジュースの缶すごいへこんでるわよ?」
 
流雨が、龍の持っていた缶を指差した。
 
 
「あぁ、ちょっと落として‥‥。」
 
 
‥‥やっぱり、あたしの勘違いじゃない。
 
「‥龍。」
 
あたしは龍の近くに行き、耳元で言った。
 
 
「‥ちゃんと態度に示さないと、芽夢が可哀想よ。
 
あと、立ち聞きは感心しないなぁー。」
 
 
「‥なっ!?」
 
 
 
あたしはからかう様にして笑った。
 
 
 
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