君の居た世界
「龍君、どうかしましたか?
 
顔色があまり良くない様に見えますが‥。
風邪ですか?」
 
 
芽夢は龍のおでこに手を添えた。
 
 
「‥‥!!」
 
 
龍の頬がどんどん赤く染まっていく。
 
 
‥分かりやすいなぁ。
 
 
「氷夜と流雨は彼氏とか居ないの?」
 
 
あたしは少しわくわくしながら聞いた。
 
 
 
「‥あら魅夜、私を馬鹿にしてるの?」
 
 
‥‥あ、そっか。
そうだよね!
 
 
「流雨は当たり前、居るに決まってるよね!」
 
 
 
「‥‥‥‥‥。」
 
 
周りが静まりかえった。
 
 
「え、何お前‥‥
それ‥マジボケ?」
 
氷夜がぽつりと呟いた。
 
 
「ボケ?
 
あたしは本気で言ったんだけど‥。」
 
 
その一言で、またその場が静まりかえった。
 
 
 
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