君の居た世界
「じゃあ、ぱっぱと買い物済ませて帰ろうっか。」
 
 
走って氷夜を追いかけた為、あたしの息は少し上がっていた。
 
 
「‥まずは魅夜のものから買うか。」
 
 
 
魅夜が頼んだものは
マスカラと付けまつげ、そしてグロスといった化粧品だった。
 
 
‥丁寧に商品名まで書いてあるし。
 
 
 
「氷夜、ここに売ってるんじゃない?」
 
 
あたしは氷夜を呼び止めた。
 
 
「俺こういうの良く分かんねぇから、お前に頼む。」
 
 
 
「あ、そうだよね。
じゃああたしに任せて!」
 
 
そう言うと、あたしは商品を探し始めた。
 
 
 
「‥‥んー、あたしもあんまり、お化粧とかしないからなー。」
 
 
そんなことを呟きながら、あたしは黙々と探し続ける。
 
 
 
「てか、これじゃね?」
 
 
 
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