君の居た世界
この人の言った通り、あたしは何も努力なんてしていない。
 
あたしは世界を変えてほしい‥って願ってばかりだった。
 
 
 
自分が、かわいかっただけなのかもしれない。
 
 
友達も居なくて、学校でもいじめられて‥‥
 
その上、両親も事故死。
 
 
あたしはそんな状況で、悲劇のヒロインにでもなった気分だった。
 
 
 
全然ヒロインなんかじゃないのに。
 
結局、馬鹿なのはあたし。
 
 
 
「‥‥‥‥。」
 
しばらくあたしは黙り込んでいた。
 
 
その沈黙を破ったのは、目の前に居る人だった。
 
 
 
「お前さ、自分の世界変えてみたいと思わない?」
 
 
 
< 7 / 147 >

この作品をシェア

pagetop