君の居た世界
「‥‥龍、結局いつもと変わらないよね。」
 
 
あたしは、メモに書かれた文字を見て言った。
 
 
「‥だな。」
 
 
「まぁ良いっか。
早く買い物を終わらせて帰ろう?」
 
 
あたしは時計を確認する。
 
‥‥出来れば日が暮れる前に帰りたいな。
 
 
「じゃあ早く行こうぜ。」
 
 
 
こうして、あたしたちは急ぎ気味に買い物を済ませた。
 
 
 
 
 
「‥ふぅ。これで全部買い終わったー!」
 
 
両手に持った袋を掲げて、あたしは言った。
 
 
「だな。
もう二度とトランプなんかしねぇ!」
 
 
氷夜が悔しそうに言う。
 
 
「でも、楽しかったから良いんじゃないかな?」
 
 
‥‥友達とトランプなんて、やったことなかったから。
 
だから、本当はこんな風に一緒に買い物を出来ることも、あたしにとっては大切な時間。
 
 
 
< 71 / 147 >

この作品をシェア

pagetop